「うちの子、もう小学生だし一人で遊びに行くことも増えたな」
「見守りGPSを持たせたいけど、月額料金がかかるのはちょっと」
と悩んでいるママやパパも多いのではないでしょうか。
そんな時、ふと思いつくのがAppleの「AirTag(エアタグ)」です。
「iPhoneユーザーだし、AirTagなら月額料金もかからないし、小さくてランドセルに入れやすい! AirTagで子どもの見守りはバッチリ♪」
もしあなたが今、AirTagを子どもの見守りツールとして使おうとしているのなら、ちょっと待ってください!
実は、AirTagを「子ども用の見守りGPS」として使うことには、致命的な欠点があります。
この記事では、なぜAirTagが見守りに向いていないのか、本当に安全に見守るための正しい方法について解説します。
AirTagは「GPS」ではない
「手軽で安いから」
「月額料金がかからないから」
「Apple製だから安心」
などの理由で、AirTagをランドセルや習い事のバッグに入れようとしているママは少なくありません。
確かに、AirTagは本体を数千円で買えば、あとは電池が切れるまで約1年間、追加費用なしで使うことができます。
スマホの「探す」アプリを開けば、地図上にAirTagの場所が表示されるため、一見すると「見守りGPS」と全く同じように見えますよね。
しかし、実は大きな落とし穴があります。
AirTagは「自力で通信する力」を持っていません。
一般的な「見守りGPS」や「スマートフォン」の中には、携帯電話と同じように通信するための部品(SIMカードなど)が入っています。
電波が届く場所であれば、地球上のどこにいても「今、私はここにいます!」と自力で親のスマホに現在地を送信することができます。
一方、AirTagの中に入っているのは、Bluetoothという、ごく近距離(数メートル~十数メートル)でしか通信できない小さな電波を出す部品です。
例えると「大声で自分の居場所を叫べる人(GPS)」と、「小さな声でヒソヒソ話しかできない人(AirTag)」くらいの違いがあります。
2. AirTagの欠点。仕組みを正しく理解しよう
AirTagが位置情報を更新する仕組みは、「すれ違い通信」です。
AirTagは、周囲にいる見ず知らずの他人のiPhoneを探し出します。探し出したiPhoneの通信機能と位置情報をこっそり借りて「私は今、このiPhoneの近くにいます」という情報をAppleのサーバーに送ります。
そして、サーバーを経由してママのスマホに位置情報が届くのです。
欠点1.リアルタイムではない「すれ違い待ち」の壁
最大の欠点は「近くにiPhoneを持っている人が通るまで、位置情報が更新されない」ということです。
例えば、お子さんが人通りの多い駅前や、ショッピングモールを歩いているときは問題ありません。周りにiPhoneユーザーがたくさんいるので、数分おきに位置情報がポンポンと更新されます。
しかし、人通りの少ない通学路や、住宅街の裏道、人気のいない広い公園などにいるときはどうなるでしょうか?
「あれ? 30分前に『公園』にいるって表示されたきり、全然動かない」
「もう家に帰ってくる時間なのに、まだ学校にいることになってる!」
という風に、「情報の空白時間」が生まれてしまうのです。
もし、空白の時間に子どもが事故に巻き込まれたり、不審者に声をかけられたりしても親は、リアルタイムで異変に気付くことができません。
「今どこにいるの!?」と焦ってアプリを開いても、表示されているのは「最後に誰かのiPhoneとすれ違った時の、過去の場所」です。これでは、「リアルタイムで見守っている」とは到底言えませんよね。
欠点2.犯人に通知がいってしまう「ストーカー防止機能」
もう一つ、子どもの防犯(誘拐や連れ去り対策)としてAirTagを持たせる場合に、絶対に知っておかなければならない致命的な仕様があります。
それは、Appleがストーカー対策として組み込んでいる「不要な追跡に対する通知」という機能です。
例えば、悪意を持った人(iPhoneユーザー)が、あなたの子どもを車で連れ去ったとします。
犯人のiPhoneは、子どもの持っているAirTagの電波をずっと拾い続けます。
すると、しばらくして犯人のiPhoneの画面に、
「あなたと一緒に移動しているAirTagが見つかりました」
「このAirTagの所有者は、あなたの現在地を見ることができます」
と表示されます。
親としては「犯人の位置がわかる!」と思うかもしれませんが、同時に犯人にも「追跡されていること」がバレてしまうのです。
さらに恐ろしいことに、犯人が通知をタップすると、AirTagから「ピピピッ」と大きな音を鳴らすことができます。
犯人は子どものAirTagを見つけ出し、窓からポイッと捨ててしまうか、電池を抜いて破壊してしまうでしょう。
結果として、親が追跡できるのは「AirTagが捨てられた場所(道端)」までとなり、肝心の子どもの行方はわからなくなってしまいます。
Apple公式も、「AirTagは人やペットを追跡するためのものではなく、モノ(鍵やカバンなど)を見つけるためのデバイスである」と明言しています。
AirTagは素晴らしいツールですが、子どもの防犯という目的においては、裏目に出てしまう点もあるのです。
解決策1.本当に安全なのは「見守りGPS」
子どもの命を守る「リアルタイムの安心」を手に入れるためには、自力で通信できる仕組み(携帯回線)が必要です。そして、携帯回線を使う以上、どうしても毎月の通信費(月額料金)が発生してしまいます。
しかし、子どもの安全をお金で買うと考えれば、月額500円~700円程度の出費は決して高くはないはずです。
AirTagの欠点をカバーし、本当に安心できる選択肢の筆頭が「子ども用の見守りGPS」です。
いつでも「今どこ?」がリアルタイムで分かる
見守りGPS(BoTトーク、みてねみまもりGPS、みもりGPSなど)には、ドコモやau、ソフトバンクなどの携帯電話回線が内蔵されています。
そのため、周りにiPhoneを持った人がいなくても、山の中や人通りのない道でも、端末が自力で現在地を親のスマホに送り続けてくれます。
地図上のアイコンがスムーズに動き「今、まさにここを歩いているな」ということがリアルタイムで手に取るようにわかります。
「すれ違い待ち」による空白の時間が生まれないため、親のストレスは激減します。
AirTagにはない「見守りに特化した機能」
見守りGPSにはAirTagにはない、子どもを守るための特別な機能がたくさん詰まっています。
移動履歴の保存
AirTagは「現在の場所(最後に検知された場所)」しかわかりませんが、見守りGPSは「今日、どの道を通って帰ってきたか」という足跡を、機種によっては遡って確認できます。
寄り道をしていないか、危険な道を通っていないかのチェックに最適です。
子どもから親へ通知できるSOSボタン やトーク機能
見守りGPSの種類によっては、子どもが「困った!」「迎えに来て!」というときに、ボタンを押せば親のスマホに通知が届きます。
最近は、音声メッセージを送受信できる機種が主流になっており、スマホを持たせる前の連絡ツールとして大活躍します。
指定エリアへの出入りを知らせる「通知機能」
「学校」や「塾」をアプリで登録しておけば、子どもが登録場所に着いたとき、または出たときに、スマホに「学校に到着しました」と通知が来ます。
親がずっと地図を見張っている必要はありません。
月額料金はかかりますが、「確実な安全」と「親の心の平穏」を得るための投資としては、見守りGPSを選ぶのが圧倒的におすすめです。
解決策2.スマホを持たせるなら「位置情報共有アプリ」
「うちの子はもう高学年だし、そろそろキッズ携帯やスマホを持たせようか迷っている」というご家庭なら、見守りGPSを買わずにスマートフォンの位置情報共有アプリを使うという選択肢もあります。
キッズ携帯にもGPS機能はついていますが、親がドコモやauなどの同じキャリア(通信会社)を契約していないと使えなかったり、検索するたびに別料金がかかったりするなど、意外と使い勝手が悪い場合があります。
ですので、最近増えているのが子どもに安価なAndroidスマホや親のお下がりのスマホを持たせ、格安SIMを契約して、見守りアプリを入れるという方法です。
位置情報アプリの活用
スマートフォンなら、常にインターネットに接続されているため、位置情報共有アプリを入れておけば、わざわざ見守りGPSを別で持たせる必要はありません。
電話もLINEもできて、居場所もリアルタイムでわかる最強の連絡・見守りツールといえます。
代表的なアプリが、以下の2つです。
Google ファミリーリンク(無料)
Googleが公式に提供している保護者向けアプリです。
子どもの居場所がわかるだけでなく、「1日に使えるアプリの時間を制限する」「有害なサイトを見られないようにする」といった、スマホ依存・トラブル防止の機能が強力です。
Life360(一部有料)
家族間で位置情報を共有することに特化した人気のアプリです。
家族全員のアイコンが地図上に表示され、「学校に着いた」「家を出た」などの通知も細かく設定できます。
まとめ。目的別・見守りツールの選び方
AirTag自体が悪い製品なわけでは決してありません。
問題なのは、本来の目的(モノ探し)とは違う使い方(人の見守り)をしてしまうことです。
AirTagが役立つシーンとしては、例えば人混み(遊園地など)での迷子対策です。
遊園地やショッピングモールなど、「親と一緒にいる前提で、はぐれた時のお守り」として子どものポケットに入れておくのは有効です。
周りにiPhoneユーザーが無数にいるため、位置情報が頻繁に更新され、迷子探しに役立ちます。
「今どこを歩いているか」をリアルタイムで確実に知りたいなら、見守りGPS一択です。
ネットトラブルの心配がなく、充電の手間も少なく、学校にも持ち込みやすいです。
スマホを持たせるのなら、位置情報共有アプリを入れましょう。
親の安心と子どもの安全は、仕組みを正しく理解してツールを使い分けることが重要です。


